確率 Probability
  1. 確率とは
  2. モンティ・ホール問題
関連項目


確率とは

言葉の定義

まず,統計的に確率を考える際に必要な概念を整理しておこう(1)。

事象 event:
偶然性を伴って起こる事実(結果)のことを事象という。たとえば,以下のモンティ・ホール問題の例では,解答者が既にどの扉に何が入っているかを知っていた場合,問題の前提が崩れてしまい,そもそも統計・確率論的な話にならない。したがって,原則としてそのような例外は考えず,偶然性を伴って起こる事象のみを考察の対象とする。

余事象 complementaly event:
ある事象 A が現れないことをいう。このほか,全事象,空事象,和事象,積事象という概念もある。

確率 probability:
ある事象が現れる割合のことをいう。たとえば,理想的なサイコロを振った場合に 1 が現れるという事象が起こる確率は 1/6 である。

確率の公理

確率は,前提として以下の性質をもっている。これは確率を考える際の公理 axiom であり,無条件に受け入れられるべきことである。
  1. 任意の事象に対して,確率は 0 と 1 の間の値をとる(0 と 1 も含む)。
  2. 全ての事象を考えたとき,それらの確率の和は 1 になる。
  3. 事象 A と事象 B が互いに排反ならば(A と B が同時に起こり得ない,つまり A かつ B である確率が 0)ならば,(A or B の起こる確率)=(A の起こる確率)+(B の起こる確率) である。


モンティ・ホール問題


一般の小説(2)でも取りあげられるようになった有名な確率問題。貴志雄介「悪の教典」から引用してみよう。

三つの扉 A, B, C がある。一つだけ扉を開けることが許され,奥にあるものを獲得できる。一つの扉の奥には豪華な賞品があり,残り二つの扉の奥には何もない。
  1. 任意の扉 - 扉 A を選んで,賞品を獲得できる確率は何パーセントですか。
  2. 扉 A を選んだ後,司会者が残り 2 つの扉のうち空であるほう(便宜上,扉 C とする)をあけて,何もないことを示した。ここで,扉 A か扉 B か,もう一度選択が許されるとする。どちらを選んだほうがが有利か。それぞれを選んだ場合に賞品を獲得できる確率を求めよ。
この問題は有名なので,ネット上にも様々な考え方の解法が載っている。一番わかりやすいと思った説明を一つだけ紹介しておく。英語版の Wikipedia にあった説明だ。本来,この問題では賞品が車で,外れのドアの向こうにはヤギがいるので,説明にはそのような図が使われている。

まず,最初に選んだ扉を変えない場合。このとき,司会者が何をしようと確率は 1/3 である。
次に,扉を変える場合を考えてみる。これは 3 つのパターンに分けることができる。

パターン1. 最初に外れの扉 A を選んだ場合,司会者は B のドアを開けることになる。このとき,扉を A から C に変えることになるので,確実に車を手にすることができる。
車をゲットできる確率は,1/3(最初に A を選ぶ確率)x 1 (扉を変えると確実にゲットできるので)= 1/3 である。

パターン2. 最初に外れの扉 B を選んだ場合にも全く同様の結果になる。(指の位置が違うが,中央を指していると思って下さい)
この場合も,車をゲットできる確率は,1/3(最初に B を選ぶ確率)x 1 (扉を変えると確実にゲットできるので)= 1/3 である。

パターン3. 最初に車が入っている扉 C を選んだ場合,扉を変えてしまうと車は手に入らない(車と指マークが右端にあると思って下さい)。したがって確率は 0 である。
以上を合計すると,扉を変えたときに車をゲットできる確率は,1/3 + 1/3 + 0 = 2/3 となり,扉を変えなかった場合の 2 倍となる。

References

  1. 確率と確率変数. Web pdf.
  2. 貴志祐介 2010a. 悪の教典. 文芸春秋.
  3. モンティ・ホール問題. Wikipedia.
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